HE IS A PET.


 案の定、行成家のお墓はすぐに分かった。

 一番高台の広い敷地に、黒光りする豪華絢爛なお墓。灯籠、塔婆、生花、日本酒。少し遠目からでも半端なく大量と分かる供物が、華やかだ。

 それと、参拝者がいた。

 真夏にご苦労様です、の黒スーツの男。
 三歩ほど引いて、他の三人の後方に立っている姿からして、行成新の部下だろう。見覚えがなくもない。

 新は白いYシャツに、黒いスラックス、こざっぱりとした黒髪。
 一見して裏稼業の人間とは分からない風貌で、特殊な空気を纏っている。

 だけど、その新のオーラも霞むほど、私の目を釘付けにしてしまう人物が、そこにいた。

 ―――怜が……何で、いるの?

 見間違えかと思った。だけどやっぱり、見間違える訳がない。

 記憶の中の怜とは違って見えても、本物の怜がいる。

 どうしてここに、……なんて愚問だ。
 悠里に会いに来たに決まってる。

 じゃあ、いつ?
 いつ、怜は帰って来たんだろう。


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