HE IS A PET.


『待ってて。大丈夫じゃなくても、必ず帰るから』


 約束通り、怜は帰って来たんだ。

 無事で良かった。帰って来てくれて、本当に良かった。

 お遍路は成就したんだろうか。
 その報告を、悠里にしに来たのかもしれない。

 私は何を自惚れてたんだろう。
 怜が帰って来たら、真っ先に会いに来てくれるんじゃないかなんて、勝手に期待してた。

 新に向かって頭を下げた怜の腕を取るのは、彼の飼い主で、私の親友だった女王様だ。

 何だ、そっか。
 怜はちゃんとアズミンの元に戻ったんだ。

 そうして欲しいと、二人に頼んだのは私なのに。
 ショックを受けるなんて、タチが悪いよ咲希さん。

 怜もほんとにタチが悪い。

 こっちに向かって来そうな二人に見つからないよう、さっと大樹の陰に身を寄せた。



「こんにちは、倉橋さん」

 通り道からは、絶対に見えない位置に隠れていたはずなのに。
 回りこんできた声に、観念するしかなかった。

「こんにちは、行成さん。お久しぶりです」

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