HE IS A PET.
「夜は予定通り、ご飯食べに行こう。八時半には戻るから、すぐ出れる用意しといて。明日のことは、真崎さんに伝えておくから」
真崎さんが怜を引き取りに来るのが、明日の午前十一時。
おじーちゃんの告別式の時間と丁度同じだ。
「見送り出来なくなって、ごめんね」
でも、その方がいいのかもしれない。出て行く怜を見送るのは、きっと淋しいから。
怜は淋しそうな顔をして、目を伏せた。
泣くまいと我慢している子供のように、唇が小さく噛みしめられる。
伶のそういうところに、私は弱い。
「でもさ、怜とは今生の別れって訳じゃないし……会おうと思ったら、また会えるよね」
自分で言いながら、白々しい気持ちがした。
怜がアズミンのところに戻ったら、私たちが会うことはもう無いだろうに。
「身内の人?」
顔を上げた怜が尋ねた。
「え?」
喋ることが苦手な怜の言葉は、いつも何かが足りていない。
「咲希さんの、身内の人? その、亡くなった人」
「ううん。身内じゃないけど、お通夜から行きたいの。お世話になった人だから」
それに謝りたい。最期にした約束を、果たせなかったことを。
「じゃあ……俺も、行きたい」
「えっ、行きたいってお通夜に?」
遊びに行くんじゃないんだよと、たしなめたくなるほど、怜の口調は屈託がない。