HE IS A PET.


「それとも女に飼われるのは嫌?」

 尋ねると、怜は初めて真っ直ぐに私と目を合わせた。

 彼の正式な飼い主が正式な男かと言えば、それも難しいとこだけど。


「いいえ。倉橋さんが嫌じゃなければ……お世話に、なりたいです」

 怜は躊躇いがちにそう言って、すがるように私を見た。


「じゃあ、決まり。今晩からうちにおいで。そうと決まれば、乾杯しよ」

 私の言葉に真崎さんもホッとした様子を見せ、やって来た店員さんにビールを注文した。

 怜は烏龍茶を頼み、私は皆でつまむ用に料理を数品頼んだ。


 真崎さんからレクチャーされる怜の飼い方を適度に聞き流しながら、ビールをたらふく飲んだ。



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