嘘から始まる運命の恋
 脳裏に妹の顔が浮かぶ。明るい茶髪にゆるふわなパーマをかけ、エクステでふさふさのまつげの大きな目でじぃっと私を見る、二十五歳の真由里。

 私が彼と寝たと知ったら、怒るだろうか。うん、きっと怒るだろう。

 けれど、真由里に私を怒る資格なんてあるんだろうか。

 そもそも真由里の彼氏の長岡ケイと会うことになったのは、真由里に頼まれたからだったのに……。
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