プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「でもそんな勝負する必要なかったね。
君もどうせすぐ別れるんでしょ?
みどり、男に飽きるの早いから」

「ちょっと......っ!
もうやめてよ。初対面からなんでそんなに失礼なの?
一輝くんこんなやつ放っといて、もういこ?」


昔から飄々としたとこはあっても、初対面からこんな失礼なこと言ったりするやつじゃなかったのに。

いこうと一輝くんの手をひくけれど、一輝くんはいっこうに足を動かそうとはしない。


「......その勝負受けます」


秀をまっすぐに見つめて、堂々とやる意味のないムダな勝負をする宣言をした一輝くんに、勝ち誇ったようにニヤリと笑う秀。

一輝くんも秀もやけに落ち着いていて、この場であせっているのは、きっとあたしだけだ。


「一輝くん!?なに言ってんの?
秀が勝手に言ってるだけで、こんなの気にすることないんだよ?あたしが好きなのは、一輝くんだけなんだから」

「分かっとうよ。
ただ、自分の彼女にここまで言われて黙っとれんです。

加藤先輩は、他の女の人探してください。
みどり先輩は俺の彼女です。
俺、返すつもりありませんから」


秀も相当イイ性格してるけど、一輝くんも一輝くんでけっこうメンドクサイ。受けなくてもいい勝負を受けるし、なんでこんな負けず嫌いなのか。

だけど、何の迷いもなく、きっぱりと秀に俺の彼女宣言をするとこは、ちょっとだけときめいてしまった。

録音して、永久保存版にしときたいくらい。


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