プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「協力するためでも......、他の男と付き合いたいって言われるのは、正直......、嫌です」


パッと視線をそらし、目をふせる一輝くんに、ときめきエンドレス。

ああもう、なんて可愛いの。
今すぐ抱きしめたい衝動にかられたけど、いちおう部活中なので我慢我慢。


「分かった、ごめん。
そうだよね、あたしも一輝くんに他の女と付き合いたいって言われたら、嫌だもん。
もう言わないから」


照れたようにうなずいてから、表情をひきしめてあたしの目を見る一輝くんにつられて、あたしも真剣に話を聞く。


「それと、実先輩には悪かけど、俺は三浦先輩と敦士先輩もお似合いだと思っとうよ。ムリに実先輩に協力しなくてもいいと思いますよ?」

「え......。
敦士と理穂?どうかな......。
二人が付き合うって決めたんなら仕方ないけど、今の時点ではあたしは理穂にはみのるがいいと思うけど。みのるは、いい人だし......」

「敦士先輩も、いい人ですよ」

「それは分かってる」


口ごもるあたしを一輝くんは、不思議そうな顔で見つめる。


他の男ならともかく、好きな人を敦士にもってかれるってのはたぶんみのるにとって一番嫌だと思う。


一輝くんは、夏の決勝戦の時にみのるがベンチで言っていたことを知らないから、そう言えるけど......。

今では名前で呼びあってるとはいえ、あのときのみのるの言葉を聞いたあたしは、敦士と理穂ってのは素直に応援できない。


あたしが勝手にそう思ってるだけかもしれないけど、いまもみのるは敦士に複雑な気持ちを抱いてるような気がして......。


敦士よりもみのるの方に特別に肩入れしてるとかでなく、チームが気まずい雰囲気になることは、あたしとしては避けたい。





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