プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
9月もそろそろ終わりになってきたけど、今日は絶好の野球日和で晴天。むしろ暑いくらいのこの気温。

公式戦のベンチに入れるマネージャーは、一人まで。
今日は理穂がベンチに入る番なので、あたしはたまにしか着ないセーラー服を着て、球場のスタンドにいた。


スタンドの応援席には、部員の家族以外にも、うちの高校の子なのか、私服の女子もちらほら。

応援にきてくれた部員のお母さんたちに、一通り挨拶してから、一番前の席で立ったまま、グラウンドにいるみんなをみる。


「ひとつひとつ丁寧に勝っていくぞ」


試合前にそう言って気合いを入れたキャプテンや、みんなが守備位置につくのを見守っていると、突然後ろから肩を叩かれたので振り返ると。


「はじめまして、早川美沙です」

「?はじめまして、西川みどりです?」


誰この子。
全然知らない女に声をかけられて、一応挨拶は返したけれど、誰だか全然分かんない。

どこにでもいそうな内巻き茶髪ボブ、顔は中の上ぐらいで......、あ。
< 268 / 623 >

この作品をシェア

pagetop