プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「一番の近道だけが、道じゃないよ。

秀は、天下の銀月館の部員で、正捕手で、しかも四番で、自分のプレーにも、自分の選んだ道にも絶対の自信があるんでしょうけど......」


絵に描いたような王道の輝かしいエリート街道を突き進む秀からしたら、実力があるのに、こんな無名校にいる一輝くんや、敦士やみのるがもったいなく感じるのかもしれない。

実際、強豪校でレギュラーで甲子園出て、ドラフト上位指名されて、球界でもすぐに活躍して結果残せる人と、その他の人じゃ世間の注目度も全然違う。


でも、いいんだ。
それでもいい。


「一輝くんには、一輝くんの生き方があるから、それでいいの」


近道じゃなくても、一輝くんが自分で選んだ道が、一輝くんが一輝くんらしく生きられる道が一番なんだから。


マウンドにいるみのると向かい合う一輝くんを、あたしはまっすぐに見つめた。
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