プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「ボール」


三球目も同じような危険球を投げてくれば、いい加減分かる。こいつわざとやってたんだ、と。


今までよりも速い球がぶつけられそうになって、よけるのに勢い余って思わずしりもちまでついてしまった。

今のあたしじゃなくて、もっと反射神経悪い子だったら避けれてないよね?ぶつける気なの?


マウンドにいる紺色ジャージを着て、髪をお団子にしたリョーコをにらんでみても、やつはやっぱり涼しい顔をしてるだけ。


もういい、そっちがその気ならあたしにだって考えがある。


「おい、大丈夫か?」

「はい、大丈夫です」


グラウンドにしゃがみこんでいるあたしに声をかけた先生に返事をしてから、立ち上がる。


何にせよ、リョーコはこれでボールスリーに追い込まれた。

後は、ストライクを投げるか、あたしを歩かせるかしかないわけだ。

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