プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「いえ、みのる先輩は間違ってません、完全に俺のせいです。
二塁空いとったけん、最悪ランナーは走らせてバッター勝負にするべきでした。なんとか盗塁刺して、ここで終わらせようと欲が出ました」

「そんなこと......」


みのるがまだ言葉を続けようとしたのを、今まで沈黙を守っていた高田っちが制して、一輝くんに声をかけた。


「小野」

「はいっ!」


一輝くんは頭を上げて返事をすると、腕を組んだまま椅子に座っている高田っちを見る。


「今はお前の反省会の時間か?そうじゃねぇだろ」


高田っちはグラウンドから視線をそらさずに、一輝くんの方を一切見ない。


「お前のせいで負けた試合の言い訳をグダグダと言ってる暇があるんだったら、さっさとダウン行ってベンチ空けねぇか」


うわっ......、お前のせいで負けたって。
誰もが心の隅っこには思ってたとしても言わなかったことを、ちゅうちょなく言ったよこの人。


「はい!すみません」

「お前らも、反省会なら学校帰ってからやれ。
次の試合やるチームが控えてんだ、時間ねぇぞ。
敦士、さっさとこいつらをダウン連れてかねぇか」

「......はい。よし、ダウンいくぞ!」


一輝くんの肩を軽く叩いてから、敦士はダウンにいくようみんなを促す。


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