プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「銀月館まであと一歩だったのに......っ」


今日の試合で勝てば、次の準決勝の相手は銀月館と決まっていたんだ。

甲子園ではないけど、憧れの王者銀月館と戦うチャンスがあと一歩のところで及ばなかった。


「俺のせいでごめん。
みんなの夢を壊してごめん」


ただ謝り続ける一輝くんになんて声をかけたらいいのか分からなくて、あたしにできることといえば一輝くんをしっかりと抱きしめることくらいだった。


「.......情けない男ですみません。

でも!来年の夏、絶対甲子園行きます。
このチームで、甲子園行きます」


体を少し離して、顔をあげると、一輝くんの顔には涙の跡があった。

甲子園行きたいですじゃなくて、行きますと、はっきり言い切った一輝くん。

静かに涙を流していた一輝くんの目は赤くなっていたけど、その目にはもう輝きを取り戻していた。

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