プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「うんっ!いこう!
みんなで甲子園いこうよ!」


一輝くんの右手を自分の両手でひしと握りしめ、その手に力を込める。


「一輝くんには、敦士もみのるも、いつも一生懸命なチームメイトもついてる。

それに、スーパースターじゃなくても、あたしはいつでも一輝くんを愛してる。
いつでも一輝くんのそばにいる。
いつでも一輝くんを信じてる」


こっちが引くくらいにいつも前向きな一輝くんが初めて見せた涙と、こぼした弱音。

いつもの一輝くんからは信じられない姿だけど、情けないとは思わなかった。
全然がっかりもしてない。

それどころか、もっと一輝くんが愛しくなった。


彼をまっすぐ見上げて訴えると、まだぎこちないけど、それでもようやく笑顔を見せてくれた一輝くん。


「心強かとね」


触れるだけのキスをしてから、そっとあたしの頭を撫でると、一輝くんはもう一度あたしを抱きよせた。
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