プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
しばらく雑談したあと、そろそろ帰るというあたしたちを秀は家の外まで見送ってくれた。


「じゃあ、敦士くん、理穂ちゃん。
みどりをよろしく」


昼前に学校が終わったはずなのに、すでに外は真っ暗で、あるのは家の灯りと街灯のほのかな灯りだけ。

暗闇の中でも敦士と理穂がしっかりとうなずいたのを見ると、今度はあたしの肩にそっとふれる秀。


「みどり。
みどりは強い、誰にも負けたりしない。
だから、大丈夫だ」

「......うん」


しっかりとあたしの目を見る、強くて優しい目。

いつも人をからかってばかりで、何考えてるか分かんなくて、だけどいつもそばにいてくれて、小さい頃からずっと一緒に育ってきた。

一緒にいるとペースを崩されて、イライラして、昔からつかめないやつ。

そして......。


「俺は誰よりみどりが大好きだし、いつでもみどりの家族だ。今までもこれからも」


この年で最愛の人が誰か決めるのは早すぎるって自分で言っといて、自分は覆すようなこと簡単に言うんだから。

結婚したいと、誰より好きだと言うのに、結局は一線を越えようとはしない、越えてはくれない幼なじみ。

本当に勝手で、自由過ぎて、振り回されてばかり。


「うん、あたしも秀のことが大好きだよ」


そして、あたしは秀のことが大好きだ。
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