プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「師匠!師匠ー?
どうしました!?大丈夫ですか?」


そこから動く気にもなれず、ただ足元の草だけをみつめて立ち尽くしていたら、いつのまにか森村がしゃがみこんであたしを見上げていた。

そういえば、そろそろ試合始まるから戻んないと、って呼びにきたのかも。

そんな気分にもなれないけど、部活だし仕方ない。


「なんなのアレ、言いたいことだけ言ってくれちゃって。
そんなにあたしが悪いの?あたしだけが悪いの?」

「え......さあ。
経緯を知らないので、なんとも言えませんが......」


ひとりごとのようにつぶやいた言葉にも、律儀に言葉を選びながら答えようとしてくれる森村には悪いけど、よけいムカついてきた。


「分からないなら黙ってて!」

「ええ!?聞かれたから答えただけなのに!?
俺の扱いヒドイ!」


ああもうなにもかもぶち壊してやりたい。
なんか分からないけど、ムシャクシャする。

どうしようもない破壊衝動が腹の奥底から沸き上がってくるのを感じる。


しくしくと気持ち悪い泣き真似をする森村を蹴り飛ばして、ベンチに戻った。
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