プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「理穂、スコアブック見せて」

「はいどうぞ、おつかれさま」


イラッ。

一試合目終了後、スコアを書いていた理穂のとこに真っ先にきた敦士に笑顔で応える理穂。そして、それを横で見てイラッとするあたし。

別にイチャついてるわけでなく、ただのフツーの会話だけど、なんか腹立つわ。

敦士はいつのまにか理穂とか呼ぶようになってるし、理穂は理穂で部活中は他の部員と同じように接しようと努力してるんだろうけど、敦士を見つめる目がハートになってるの隠しきれてないし。

順調なようで何よりですねー。

いつもなら生暖かく見守るとこだけど、今日のあたしは超絶心が狭い。


理穂と敦士を見ているだけでムカついてきたので、横でスマホを見てにやけているみのるに声をかける。


「......彼女からメール?」


みのるはのろけるわけでもなく、ただ一言うんと頷いただけ。なのにまたこっちでもイラッ。


「あっそう、よかったね」


もう何もかもがムカつく。

負のオーラを発するあたしの横でビビってるみのるをムシして、勢いよくベンチから立ち上がる。


「師匠~」

「ちょっとトイレ行ってくる」


まとわりついてきた森村を振り切り、グラウンドから校舎へと猛ダッシュ。

一回頭冷やそ、このままだと全てのカップルを破壊したくなりそう。
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