プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「またそんなこと言って。
本当はあたしのこと大好きなくせに。
俺の大事な姉ちゃんって言ってたってこと、一輝くんから聞いたんだから」


だけど、今のあたしにはいつもにはない反撃材料がある。

ちょっとバカにしたようにそう言ってやると、やつは一瞬はっとしたような顔をしたあとに、一輝くんをにらみながら、ずんずんとこっちに近づいてきた。


「は!?......オイ一輝テメー!言うなっつったろ!
なんで早速言ってんだよ!おかしいだろ!」


一輝くんにつかみかかるように、あたしたちにふわっとかかっていた布団を裕貴はひっぺがす。

しかし、あたしたちが何も着てないことに気づくと、裕貴は嫌そうに顔をしかめて、もう一度あたしたちに布団をかぶせた。


「.......こんなことやってる場合じゃなかった。
いいから、早く服着ろ。

父さん帰ってきたぞ」

「え!?うそ!
どうしよう!?」


裕貴のことばに、あわてて床に散らばった服をかき集める。

そりゃそろそろ帰ってくるかもとは分かってたけど、一輝くんも今帰るとこだったのに、なんてタイミングの悪い。


「一輝くん、とりあえずどっかに隠れて!」


ママには前付き合ってた時に一輝くんを何度か会わせたことはあるけど、パパとは一度も会ったことがない。

一輝くんTシャツだし......、いや格好はいいとしても、初対面でこんな時間に勝手に上がり込んでるのは、いくらなんでも印象が悪すぎる。

ママがいたら間をとりもってもらえても、あいにく今日はいないし、とにかく今日は日が悪い。


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