プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「みどりもじゃないの?
あ、だけど、本気で好きな人できたんだって?」


ごく自然な流れで聞かれたその話をどこから聞いたのかと一瞬思っちゃったけど、裕貴以外いないことにすぐ気づく。

あのヘタレチキン、秀には何でも話すんだから。


「そうそう、一輝くんね。秀と同じキャッチャーだけど、サイコーにカッコイイの。ゼロから甲子園目指すって言える男なんてなかなかいなくない?」


別に隠すことでもないし、とデレっとしていたら、今までさわやかな笑みを浮かべていた秀の顔がこわばった気がした。


「言うだけなら誰でもできるよ」

「秀もそうゆうこと言うんだ。
いいの、一輝くんはやる男だってあたしはちゃんと分かってるから」

「......みどりがそこまで言う男なんて、初めてなんじゃない?本気なの?」


本気も本気!
甲子園を目指すことも、あたしの一輝くんへの気持ちもマジよ!と、堂々の本気宣言。

秀は興味なさそうにうつむいてふーんと言ったあとに、視線を上げた。

その顔は笑ってはいたけど、心なしか隠しきれないブラックさがにじみ出ている気が。
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