シュールな関係
「奈緒が結婚を考えないのは借金の為だよな?」
「ええ そうです」
「どうして交際をしない?」
「お金目当の付き合いって思われたり
同情されるのはまっぴらゴメンですから。」
過去に交際した人に助けれる範囲で援助すると言われた。
愛情の一部かもしれないけど情けを感る。
優しい人だったけど、哀れみで見られてるの?と
同等の立場でいられなくなると耐えれなくなり交際を解消した。
その後、一夜限りの相手で過ごしてき特定の男は作らなくなった。
晴人の医科大学の学費も大変だし
借金の返済に夜のバイトで恋愛するほど
余裕がなかったもの理由の一つ。
「実際のとこ、あの後どうなったか分かるか?」
食事を終えた一之瀬さんが
また煙草に手を着ける。
「会長もお母様も呆れてったんじゃないですか?
それでお見合いの日取りとか決められたとか?」
お母様は猛反対
わたしと一之瀬さんを引き離そうと必死だったもの
彼の手つきを見ながら、また機嫌が悪くなるのでは…と
内心ザワザワする。
「奈緒が借金のこととか 涙一つ見せずに
身の上話をズバズバ言っただろ
そして俺の為にあっさりと身を引いたり・・・」
あぁ~~~
涙も出さず生意気にベラベラと言い過ぎたってこと?
「確かにご両親の前で可愛げなさすぎでしたよね」