シュールな関係

晴人まで賛成に持ち込まれたってことは―――

今のわたしはまな板の鯉?

それとも蛇に睨まれた蛙?

鷹の前の雀・・・?

猫の前の鼠・・・?


いやいや、そんなことよりどうやって説得したのだろう。

あの正義の塊の晴人にだよ!?



絶対的支配者の遺伝を受け継いでいる息子に後頭部を鈍器で

ガツンと殴られた気がして頭痛が起きる。


結局は弱者が負けるのか?







「ああ  奈緒さん

じっくり話し合ってくれ


いい返事を期待しているよ」



相変わらず先の読めないこの狸オヤジ・・・


障害はないから継続する自信があると目で語る黒王子



二人ともそうとう腹黒い



「奈緒

俺たちのコトを認めてもらったんだぜ

これで安心しただろ?」


邪悪な腹黒さは表に出さず、

ただ惚れ惚れする爽やかオーラが出し続ける。



『これで安心しただろ?』って?



わたしがする訳ないでしょ


クッ―― くやしいっ
やられたっていう敗北感の方が大きいわよっ


安心したのは一之瀬さんのほうでしょ?



わたしはこれで悩みの種が増えたんだから・・・





仕事が終わったら晴人に速攻電話をしなくっちゃ!


一体どういうつもりだろう…

あんなにわたしに説教したのに、あっさりと一之瀬親子に操られてっ!!



馬鹿な弟に育てたつもりなどないのにっ


返ってから裏切り者の晴人を締め付けなきゃ!!!





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