シュールな関係
朝起きると既に一之瀬さんが会社に行ったので

山本さんの作ってくれた和食を頂いていた。


「神崎様 

顔色ももうすっかり良くなられましたね」



「 ありがとうございます


点滴や診察…会社の件…

そして食事まで何から何まで恐れ入ります…


おかげで熱も出ずに済みました」


スーパー秘書山本!


こんな完璧な人 一家に欲しい

そう・・・持って帰りたい!!


思わずそう思ってしまう。



「お役に立てて光栄です」


一緒にテーブルに座り

淡々とした口調でわたしに話す。



容姿は一之瀬さんが特別すきるがら横に立つと目立たないが

個人的には凄く魅力な人だと思う。


知性的な顔にはメガネ姿が良く似合い

うっとりする低い素敵な声

発音がはっきりとして綺麗だから

聞き取りやすく

思わず聞き惚れてしまう。



「少しお話がありますが

よろしいでしょうか?」


「はい 私もお話があります」

「では…

紅茶をお入れいたしますね」


わたしも今日帰るのをちゃんと

伝えないといけない。


「では私から話させて頂きます。


先ほど、会長の第一秘書から連絡がございました 

会長が神崎様の借金をすべて返済されたそうです」


山本が電子手帳を見ながら

こと細かく報告を語り出す。


「すべて…返済…って!?」


ええっ!? 口がぽっかりと開く。

会長が動いたって…借金を全額返済?


正直、一体何を考えてるのだ、この人種は!?



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