シュールな関係

「悪いが俺はお前と婚約どころか

付き合ってもいないんだろ


悪い冗談はやめてくれ」


「冗談ですって?

雅也様の方こそおふざけをおやめになって下さいます?


どうしてあの方なのですか?」



「・・・・どういう意味だ?」



「言葉の通りです 


何故、若菜さまに似られた方とご一緒なんですか?」


奈緒のコトを…言ってるんだな


「あいつは若菜とは全然似てない」



俺は瑠璃から視線をそらして外を見つめる



「面影がそっくりではございませんか。


若菜さまは治療のためスイスの病院で静養中に


おなくなりになられたと聞いております」



息苦しい会話に俺は

締め付けるネクタイを緩めた。



薄暗い窓辺には 外の夜景が別世界の様に

キラキラと幻想的に輝いている



「ずっと雅也様の事をお慕い申しておりました

わたしくではダメでしょうか?」


瑠璃が俺の傍により手を取る

思ったよりヒンヤリとした感触の手だ


「 感じますか?

わたくしの胸がこんなにドキドキしていますの」


握った手を胸の上にあて、押し付ける



留美の顔は真っ赤になり

そっと俺の身体にもたれ掛る



「別れられた若菜さまの面影を

引きずられてお可哀想に


わたしくしで

雅也様を癒させることは出来ないでしょうか?


わたしくしを抱いて忘れて頂けませんか?」


< 333 / 441 >

この作品をシェア

pagetop