シュールな関係
「奈緒さんの借金の件は色々と迷惑をかけた分に
今回の急な出張に付き合わせたお詫び分、
それにもう一悶着起こりそうな慰謝料として
あとは引き続きわが社で頑張ってもらう予定をしてるので
心配せずにいてくれたまえ
あとは雅也だが、それなりに考えてるので
心配しないでいい。
では
わたしは休ませてもらう」
そう話すと機内の後部にある
寝室に姿を消された。
「奈緒様
この季節のスイスの時差は
8時間あります
日本の方が進んでおりますので
時差ボケにならないようにお休みください」
山本さんがベットルームに案内してくれる。
部屋に入ると皮ジャンをハンガーにかけ
ベッドに倒れ込みその横にある窓の外を覗く
暗闇から見えるのは
翼からの赤く点滅するストロボライトだけ。
けれどホテルの一室のような快適なスペースと
微かに揺れる心地よい振動に
疲れてクタクタだったわたしは大和のことや
『もう一悶着起こりそうな慰謝料』と会長が言ってた言葉を
頭にかすめながらも
ふかく考える暇もなく眠りに吸い込まれた。