シュールな関係
「山本さん こちらのお方は?」


若菜さんに自己紹介をすませ

会社の後輩だと説明するが頭の中はパニック状態。


だけど聞きたいことは沢山ある

一つずつ順に整理をしながら彼女に質問をした。



「あの、

どうしても若菜さんお伺いしたいのですが…


どうして一之瀬さんと別れたのですか?」



「学生の時に

雅也さんのお母様にあまりにも

身分の差があり彼には釣り合う決まった婚約者が

いると言われたの 


彼にはリーダーになる資質と大勢の従業員を背負う責任がある、

その中にわたしとの未来は含まれず

傍にいると彼の為にならないと。


彼を思うなら別れて欲しいと言われたわ



ただ一緒にいたかっただけなのに

それすらも迷惑だと言われ…

目の前が真っ暗になったわ


でも―――

わたしに移植が必要になると…


多額の治療費を出してくれて一筋の希望を与えてくれたのも

雅也さんのお母様


別れるのなら死んでもいいと思った

だけど両親の願はわたしが生きる事で

誰もわたしの死を望んでないと泣かれたわ


もしかしたら移植が失敗して死んでしまうかもしれない。

失敗してもいいと思ってた。


実際、術後の経過は凄く悪くて望みは薄いと言われたの


だけどこの通り生きているわ。

彼はその事を知らないでいるけれど・・・」


遠い過去を思い出すように少し寂しい顔をすると

熱いカップを両手で持ちゆっくりと口に当てた。

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