シュールな関係


4年過ぎても二人の中では時間が止まったままで

お互いの事を想いながら今も生きているんだ。


だけど若菜さんは一之瀬さんの幸せの為に身を引き

一之瀬さんは若菜さんが亡くなったと思いながら

引きずったままの気持ちで生きている。



二人とも幸せになれていない―――

本来ならば一緒にいるべきなのに…


そんな二人の伝わらない思いを感じて

大粒の涙がまたこぼれ落ちた。





彼女は現在保育の仕事をしていて夕方には時間が取れる。


明後日にはもう日本に帰るから望みをかけるには時間があまりない


明日はクリスマスイブ


「若菜さん 


明日も仕事後にここで逢って下さい

どうしても見せたいものがあるんです」


プレゼントがあるので、と思わず言ってしまったが

何を見せるかとは本当は決まっていない。


ただ理由は何でもいいからとにかく引き止めたかった。

だから若菜さんと逢えるように強引に約束をこぎつけた。



なんとかしたい…

だけど今わたしには何が出来るのだろう


ホテルの部屋に戻りベットの上に座りながら考える。



あれ、―――――ちょっと待って、


わたしがここスイスに連れ仕事もせずに

若菜さんに合わせて貰ったってことは…



会長の計算だったんですよね?



それなら解かる気がしてきた。

今、わたしがどう行動すべきか。
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