シュールな関係

「はい… 


雅也さまは若菜さまが

亡くなられてと思われて以来


ひたすら仕事だけに専念されておりました。


若菜の事を考えるのは辛かったのでしょう。




ただ…


奈緒様と初めてお会いされた時、

距離を取っていたのは感じておりました


あまりにもお二人が似ておられたので

近寄られなかったのでしょう…


ですがお二人は見た目以外

性格は対照的と申しましょうか。


雅也さまからすれば奈緒様のことは若菜さまの代わりだと…

そんな安易な付き合いはされてないと思います

違う意味で可愛がられてますがね。」



…山本さんが考えを述べながら

わたしはただの代役ではないと言ってくれる。



それを聞いていると涙がポロリと滑り落ちた。


「奈緒さん、泣かないで」

そういう若菜さんも今にも泣き出しそうな顔になっている。


「だって… そんなの辛いじゃないですかぁ


二人の気持ちが通じてあっているのに」



「そんなことないわよ


だってもうあれから4年たっているもの

だけど、わたしの為に泣いてくれてありがとう」


若菜さんが薬指に指輪をしていても


まだ結婚していないのが分かる 


だって、同じデザインの指輪を今も一之瀬さんが

ネックレスにして身に付けているのを知っているもの。



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