シュールな関係
動き始めた未来
翌朝早く目覚めた。

張り詰めた冷たい空気を吸い込みながら

ジッと待つことも苦痛に思えて一人で街中散歩をした。




昨日、若菜さんと別れた後、ホテルに戻るなり

わたしが彼らに出来ることをめい一杯考え

ある実行に移した。



「直ぐにスイスに来て、大変なの!!


一之瀬さんが来ないとわたし…どうなるか!


ここはスイスプレジデントホテルなの


お願い早く…きて!


キャッ――――」


プッリとそこで電話が切れる。

女優賞が取れそうなほど切迫した声に演技力。



まさか一之瀬さんの父一行と来てるとは思ってないと思う。


作戦名は『終わらぬパーティの魔の手』にしよう。

残念ながら演技力は見せなかったけど、あの声を聞けば即座に飛んで来るはず。



もちろんながら要件は伝えずに

とにかく『助けて』をアピールした。



お昼を過ぎたからもう到着してるだろう…

山本さんが一之瀬さんを空港に迎えに行ってる。




彫刻のある噴水近くの階段に腰掛けていると

目の前で走っていた女の子が突然転んだ。



「Mama Mama !!」 …と大声で泣きだした。


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