シュールな関係
大和が連れて来てくれたのは山のふもとで
少しでも山の上に行けば真っ白になっているが
そこは12月でもまだ緑が生い茂っていた。
たなびく白い雲がゆっくりと流れ
牧草を食べのびのびとした牛の群れに
果てしなく続く美しい山脈の連続に「素敵…」と思わず歓喜の溜息がこぼれる。
その街からは可愛らしい家がポツポツと並び
煙突からは煙がゆっくりと揺れていて
何もかもが絵画の世界に踏み込んだみたいで…
「この景色、ずっと…何時間見てられそう」
胸がいっぱいで、でも凄く暖かい気持ちになり
寒さも忘れて立ち尽くして見入ってしまう。
暫く景色を見て今度は人家の少ない道を迷いなく歩き始めた。
「この先の牧場は俺の知り合いがいて
ヤギの放牧もしてるぞ
出来立てのチーズも食わせてくれるし
それがまた絶品で、行ってみるか?」
「うん」と頷き連れていかれたところは
緑が残る牧場の一角
「ここは雪がないし転がるような急な坂もないが
草原に寝ころんでみるぞ!」
わたしの願いを知っていたかのようなことを呟くと
楽しそうな顔して「う~~ん 気持ちいいー」大和が手を伸ばし草の上に寝転びだす。
大和はどうしてここに来たのだろう
わたしのことを怒ってないのだろうか?
もう二度と逢うつもりはないようにワザと一之瀬さんに好意のある意味ありげな言い方や
大和を気付付けるような言い方をしたのに…
もしかしたら若菜さんが生きていたことや、二人が合うことを知り
わたしを傷づくのを見に来たの…なら…