白い花が咲いたなら

 彼があたしの肩に手を置いて、顔を近づけてきた。


 それにつれて、白い輝きが強くなる。


 屋上に吹く風の涼しさも

 道路を走る車の音も

 校庭から聞こえるざわめきも

 世界を照らす、日の光りも


 全てが、白い輝きに飲み込まれていく。


 お父さんの顔。お母さんの顔。

 友だちの顔。みんなの顔。

 真貴子の顔。


 あたしの、一生分の記憶が真っ白に染まっていく。

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