白い花が咲いたなら
あたしと近藤くんの足元に、白い花が咲いていた。
『白い花が咲いたなら、その罪は許される』
花を見下ろす近藤くんの表情は、この上なく優しく、静かで。
そして本当に満ち足りていた。
彼は、許したんだ。
不運だとか。不公平だとか。幸とか、不幸とか。
この世界に在る、罪であるのかそうでないのかも、わからない物を。
そしてなにより、人を憎み続けた自分自身の心を。
「怜奈、好きだよ」
「あたしも好き。近藤くんのことが好き」
あたしたちは、言える。
“好きだった” じゃなくて “好き” と。
まぼろしではないから。
この気持ちは確かに存在して、
本当に、本当に大切なものなんだから。