もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


「・・・先生、どしたん?」


僕は息切れがひどすぎて、何も言えない。

何も言えないのがもどかしすぎて、伊東を思いっきり抱きしめた。


「先生!?」


伊東は驚いたように身を固くするが、気にしない。もう、後悔はいやだ。


「ずっと」


やっと息が整って、話せるようになってきた。



「ずっと、こうしたかった。」


そう、ずっと、ずっとこうしたかった。


「伊東、好きだ。本当に好きだ。ずっと、初めて会ったときから」


< 133 / 140 >

この作品をシェア

pagetop