鬼系上司は甘えたがり。
 
鬼なんだか可愛いんだか、弱っているんだか元気なんだか……主任はやりたい放題の体を見せ、それに振り回されるハードすぎる日々。

ただ一つ分かることは、毎日嬉しそうな顔で出迎えられることから、日中は一人で大変心細い思いをなさっていたらしい、ということだ。

一週間泊まり込みでの看病だったのだけど、朝私を会社に送り出すときは「さっさと行け」と手で追い払う仕草までするくせに、帰ってくると途端にコレなので、ツンデレの破壊力凄まじすぎか!と常に胸をキュンキュンさせられっぱなしだった私は、危うく自分のほうがのぼせ上がり、熱を出してしまうところだった。

 
自宅療養を始めて5日目ともなると、主任はもうほとんど体調が回復しており、せっかく家事をこなしているというのに、アレコレとちょっかいを出してくるようになった。

ご飯の支度、掃除、洗濯、ワイシャツやハンカチのアイロン掛け等々、夜の限られた時間で家事をするのはなかなか大変なものがあるというのに、しょうもないことで私を呼びつけては、とびっきり幸せそうな顔で甘えてくるのだ。
 
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