鬼系上司は甘えたがり。
激昂する私を見て、彼女は「薪ちゃん顔真っ赤だよ〜。か〜わいい〜」と爆笑したのだった。
すみません主任。
私じゃどうしたって、この毒舌美人で一枚も二枚も上手な由里子に勝てそうにありません……。
結局この日は、プレゼントの目星も付けられなかったことに加えて由里子に散々な目に遭わされて終わり、最後はその主任からの呼び出しでもって、買い物はお開きとなった。
ムッスリ膨れたまま、主任の元へ急ぐ。
エッチのことなんて、いくらなんでも由里子に言えるわけないじゃない--ドSな口調とは裏腹に、ほとんど未経験に近い私に合わせて優しく優しく抱いてくれるなんて。
その顔がとっても必死ですごく可愛いなんて。
そんなの、私だけのとっておきの秘密にしておきたいに決まっているじゃないかっ。
でも、そんな主任にだからこそ、きちんとしたプレゼントを贈りたい。贈ってあげたい。
主任の部屋に着いたら、それとなく本人に聞いてみたり、部屋に置いてあるものを見て私なりに好みを推理してみたり、色々頑張らないと。
よし!と胸の前で握り拳を作り、すっかり日が落ちてイルミネーションの光がキラキラ輝く街を駆け足で抜け、主任が待つ部屋へと急いだ。