鬼系上司は甘えたがり。
ざっと部屋を片付けていたらしい主任にドS発言をかまされ、あわあわしながら靴を脱ぐ。
主任のこの『5秒以内』は効果テキメンだ。
呼ばれてすぐに来ないと容赦なく仕事の量を倍にされるので、私みたいな下僕はいついかなるときでも秒数厳守で馳せ参じねばならない。
……あれ、でもコレ仕事じゃなくない?
ふと冷静な自分が頭の奥で疑問を投げかけるけれど、考えないことにしておこうと思う。
私は下僕、悲しいかなそれが現実だ。
「うわぁ~、おっきなテレビですね!映画のDVDもすごい量じゃないですか!わぁ、こっちはパンフレットですか? すごいすごい!」
けれど、ドア一枚隔てられたリビングに足を踏み入れるなり、私のテンションバロメーターは一気に振り切れることとなった。
リビングに鎮座ましますのは黒光りする超大型テレビ、テレビ台のラックには所狭しとDVDが並べられ、カウンター下が可動棚になっている対面式キッチンには、本来なら食器を並べる部分に映画のパンフレットが飾られている。
その時々の気分で差し替えているのだろうか、古いものから新しいものまでパンフレットは様々で、眺めているだけでキュンキュンだ。