鬼系上司は甘えたがり。
 
頼まれたものをテーブルに運び、軽くセッティングをしていると、テレビの前にしゃがみ込んで再生の準備をしていた主任が、その足でカーテンを引きに行き、次いで部屋を間接照明だけの明かりにしてテーブルに戻ってきた。

テーブルの下のラック部分からリモコンを取り出してポチッと操作をすると、間もなくしてテレビの画面いっぱいに映画が映し出される。


「冷めないうちに食えよ。キノコとキャベツのクリームパスタだ。味は保証する」

「はい、いただきます」
 

ワインをグラスに注ぎ始めた主任を横目に窺いながら、甘い匂いが漂う白いスープの海にフォークを沈め、濃厚なクリームが絡みついたパスタや野菜たちをくるくると巻き取る。

一口頬張れば、んん!と唸らざるを得なかった。


「主任、めちゃうまです!ヤバいです!」


見た目も綺麗で、まるでお店で食べるようだとうっとり眺めたけれど、こんなに短時間で味も本格的なものが作れてしまうなんて……。

確か有名どころの大学を出ていると聞いたことがあるし、頭もよくて仕事もできて、おまけに料理も上手だなんて、ハイスペックすぎてドSな性格も許せちゃうのがなんだか恐い。

味は保証する、と言うだけある。
 
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