鬼系上司は甘えたがり。
 
な、なんでバレたんだろう?

自分では上手く隠していたつもりだったし、今日に限っては本当に奥平さんのおかげで久しぶりに心から笑えたのに、その“今日”が一番、無理をして笑っていたように見えていたなんて。

でも、もしかしたら彼の言う通りなんだろうか。

全く意識していなかったけれど、今日一日、ずっと空元気を振りまいていたのかもしれない。


「……もう少し、つき合ってもらえませんか?」


私の沈黙を肯定の意味に取ったらしい奥平さんは、ショップの袋を片手に纏めると、空いた手でそっと私の背中に触れ、そう言ってきた。

その声には私を心から心配している様子が滲んでいて、困ったことに、奥平さんに話してしまいたいという気持ちが小さく芽吹いてしまう。


そのとき、全く空気の読めない私のお腹が大音量でグ~と鳴ってしまい、一瞬の間の後、奥平さんが堪えきれずにプッと吹き出す。

私はただただ、自分のお腹がしでかした悪行に頬を火照らすばかりで、今度は沈黙なんていう可愛いものではなく、本気で言葉を失った。

どうやら体は正直らしい。

たくさん動いたので、食事を請うているようだ。
 
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