鬼系上司は甘えたがり。
「……ッ!謝って許してもらえると思うな!そんな安い謝罪なんかじゃ、俺のこの3年の惨めな気持ちはちっとも報われないんだよっ!」
するとそこで、怒気を含んでいながらも冷静さを欠かず淡々としていた相手の--私の元同期だった多賀野くんの感情が一気に爆発した。
そう、彼は、あのときの……クリスマスのときに主任が放った靴が肩に当たり、私が必死に謝ったあの彼だったのだ。
ドア越しに感じる、今にも主任に掴みかかっていきそうな彼の気配に、どうにかして多賀野くんを止めなきゃという気持ちが急き立てられ、ただハラハラしながら会話を聞いていただけだった私の胸が突き動かされる。
体が動くのが先か、声を出すのが先か。
「……た、多賀野くんっ!もうやめて……!」
次の瞬間、私は気づいたら我も忘れて勢いよくドアを開け放ち、力の限りそう叫んでいた。
突然の私の登場に主任も多賀野くんも目を大きく見開きこちらを凝視している隙を逃さず、対峙する二人の間に割って入ると、主任を背中に庇うようにしてキッと多賀野くんを見据える。