鬼系上司は甘えたがり。
……嬉しすぎてついタガが外れ、意気揚々とバースデーソングを歌いはじめたら、さすがにそれは「バカかやめろ!」と怒られたけれども。
そんなこんなありつつも、主任と二人での誕生日会は終始幸せな空気に包まれながら進み、気付くと時計の針は二周、三周としていた。
今日は金曜日。
たとえ誕生日が平日だったとしても今日は主任の部屋にお泊まりするつもりでいたのだけど、週末は時間を気にする必要がないせいか、会話の一つ一つや主任のちょっとした仕草なんかがいつもよりずっとずっと愛おしいものに感じられて、ついじーっと見つめてしまう。
「薪、お前はどんだけ俺が好きなんだよ。そろそろベッドに行きたくて誘ってんのか?」
すると、私の視線にふと顔を上げた主任が、いつものようにドSな顔でニヤリとほくそ笑む。
いや、うん……誕生日に週末、そしてこの時間まで帰る様子もないとなれば、想い合う仲の妙齢の男女がすることはそれしかないのだけども、こんな横暴な誘い方にいい加減慣れたいのに未だに強引にドキドキさせられてしまう私は、急激に顔が火照りはじめるのを隠すように俯く。