鬼系上司は甘えたがり。
 
「12月号に載せるモデルのインタビュー記事はどうなってる? 文字起こしは済んだか?」

「はい!今から始めます!」

「はぁっ!? 今からだとぉ!?」

「ひゃーっ、すみませんーっ!」


と、仕事が遅いので呆れられることも数知れず。

進捗状況を聞きに来た主任に思いっきり眉間にシワを寄せられ、当然また「火にくべて燃やすぞ!」と脅されたことは言うまでもない。

その他にも挙げればきりがないけれど、こんな具合に3週間で主任にしごかれまくった私は、残業する日も残業時間も今までの比じゃないほどに増えたので、少しでも睡眠時間を確保するためには趣味の時間を削るしかなかったのだ。


主任の仕事は多岐に渡っている。

『iroha』に毎号登場する地元モデルやカリスマ性のある人物のリサーチ、キャスティングに、写真撮影に必要なスタジオや、カメラマンからスタイリスト、メイクさんなどのスタッフの手配、撮影した写真のリストアップ等々。

ビューティー部門や飲食店部門などの各チームリーダーと、部長、課長をはじめとする役職が付いている人たちでの編集会議に、校了間近になってくると次々と上がってくる記事の入力チェック、以前私も連れて行ってもらったように足での営業活動も普通にしている。
 
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