歪んだ愛情【更新中】
肌をすり寄せて歩くカップルのようには歩けない。
どうしても距離がある。
初対面だし、
相手は彼女持ち、
何より美海自身も彼氏持ち。
でも、
肩が一瞬触れるだけで心臓が高鳴る。
千歳の何かに惹かれている訳じゃない。
恋をしたいと望んでいる自分が
勝手に高鳴っている。
信吾の隣りを歩いていて
最近笑った記憶がない。
でも自然に笑みがこぼれるのは
千歳だからだろうか。
気が緩んでいるからだろうか。
「美海はどんな男が好き?」
浮かぶ理想像は
今までになかったもの。
「愛されたい」
たった一言で終わった理想は
それは今まで信吾に求めてきたもの。
誰かに心から愛してほしい。
醜い独占欲とかじゃなくて、
誰かに必要とされたい。
美海しかいらない、
と言ってほしい。