ターゲット



1時間目



まだ帰ってこない。
大丈夫なんだろうか、翔太くんらにあの彼女さん…。

助けもしないくせにこんなこと考えてちゃ、ただのアホでバカでしかない。
だけど、気にせずにはいられなかった。




「…杏珠、優、千里、翔太はどうした?」




数学の先生は、クラスメイトに問う。





「翔太君は知りませんが、杏珠らは保健室らしいです。」



如月さんが言うと、険しい顔をした先生。





「あいつら、またサボりか!!
ったく。」


イライラが隠しきれないようだ。
学年主任だからか、自分の授業をサボられたかはわかんないけど…。



「亜架音、呼んできてくれ。」


亜架音…と呼ばれた私!?
ご紹介遅れましたが、わたくし

宮川 亜架音 と申します。


…というか、どうして!?
無理無理無理無理!


「え…っ、あの。」


明らかに戸惑う私に、先生は


「学級委員だろ。」


そ、りゃあ学級委員だけど…成績の為だし、特に仕事は放課後集まるだけって聞いたからしたのに。
数か月前に、立候補した私を激しく攻めた。



「あの、私が呼びに行きます。」


如月さんっ!!
あぁ、天使だ…


と思ったのも束の間。



「なら、一緒に行きなさい。」



…鬼先生!
でも、2人の方が断然いい。


如月さんとは話したことは、全然ないけど。



「はい…」

と、返事し廊下に出た。



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