ターゲット


1時間目が終わると、紗英が私の元にやってきた。
洗い浚い話すと、「……それは災難だったね…。」だけを言い残し2時間目の数学の教科書を取りに行った。


なんだよ…他人事だからどうでもいいのか。
災難だったね、なんて私が一番知ってるよ!!



苛立ちを抑えて、私も数学の教科書をロッカーに取りに行った。
しかし、ロッカーの前には吉野さんが…。



私のロッカーの上の段が吉野さんだから、なにか取り出してるようだ。



…まだかな?




…なにか探してる?
私、早く取り出せるし一旦どいてもらおう。



「あの、ごめん…。
ちょっと、取り出したいんだけど」
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