ターゲット


「…でもそれはね、杏珠達がすることにだよ。
とても残酷…。変わっていく杏珠達が怖い。
罪もないように…」


如月さんは、そう言いニコッと笑うと


「でもいいところもあるんだよ。
嫌いにならないであげてね。」って。



…ごめん、怖いよ。
その如月さんの優しさが。





教室に戻ると、全員がいっせいに私たちを見た。

うっ…何…?



「お前らだけか?」



先生は、まだイライラしてるようだ。
それに、黒板には何も書かれてないしみんなの様子からして授業を進めてないみたい。



「はい…あの、杏珠達は…」

口ごもると「なんだ?」と大きな声で問いかけられる。


生理だなんて言えるわけがない。


「何だ、と聞いてるんだ!」

「…………っ、生理…らしいです。」

「…っ、お、おう。座りなさい。」



咄嗟に言ってしまったのと同時に内心バクバクだ。



なんでこんなことしなきゃいけないのよっ!








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