三回目のデート
「先輩、このお店に来たことあるんですか?」
「いや、俺も初めて。ネットで見たら美味しそうだったから、それで」
「じゃあ、見事に当たりですね」
「だな。予約までして大ハズレだったら、カッコ悪くなるところだった」
と、先輩は笑いながら言った。
先輩、今日はわざわざ調べて予約までしてくれてたなんて……。
それだけじゃない。
『大事な彼女』とか、今日の格好が似合うとか言ってくれたり……
手も……初めて繋いだりして……
わぁー。なんか、会うたびに親展していってるかも。
このままいったらホントに……
(後藤さん……姉ちゃんのこと、帰したくなくなっちゃうかもなぁ~♪)
っ!ない!ないってば!
頭の上をパタパタと扇いで、悪魔の囁きを振り払った。