三回目のデート


「先輩、このお店に来たことあるんですか?」

「いや、俺も初めて。ネットで見たら美味しそうだったから、それで」

「じゃあ、見事に当たりですね」

「だな。予約までして大ハズレだったら、カッコ悪くなるところだった」


 と、先輩は笑いながら言った。

 先輩、今日はわざわざ調べて予約までしてくれてたなんて……。

 それだけじゃない。

『大事な彼女』とか、今日の格好が似合うとか言ってくれたり……

 手も……初めて繋いだりして……

 わぁー。なんか、会うたびに親展していってるかも。

 このままいったらホントに……


(後藤さん……姉ちゃんのこと、帰したくなくなっちゃうかもなぁ~♪)


 っ!ない!ないってば!

 頭の上をパタパタと扇いで、悪魔の囁きを振り払った。

< 136 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop