感情方程式。
「あ、…の……」
「何?」

軽く深呼吸をし

「昨日は、ついカッとなってしまい…すみませんでした。」

私は昨日の自分の発言を気にしていた。
散々どうするか考えたあげく、
謝罪の言葉を告げた。

「別に気にしてないよ。だって、話したこともない上の奴に言われるとそりゃあ苛立つよね。」

優しくそう言ってくるのが
チクリと痛む。

「ちなみに先生の名前、私覚えていなくて…」
「小野寺、奏太。だよ。」
「お、小野寺…先生……」
「うん」

多分、学校の中で
一番若い先生だと思う。
見た事がないから今年来たの…か?
顔を見れないため特徴が掴めないが
少しボサッとした黒髪が印象的だ。

「じゃあ、君の名前は?」

「今度は先生の番だね」と言っている様な笑顔で私に質問し始めた。





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