感情方程式。

「あの…先生、授業は無いんですか？」
「次の時間から続いてるよー。」
「じゃあこの時間で今日はお開きですね。」

言い方が凄く放っておけない感じで、
凄く気持ちが痒くなる。

「そんなこと言ってないで、菊池さんも授業に参加しなさいね。」
「多分、行くんじゃないんですかね。」

苦笑い。
ますます気になる生徒だ。
知りたいと思っている俺自身の気持ちと正反対で
彼女の心には大きな壁がある気がする。


「ねぇ、これからさ…」
「はい。」
「授業は単位取れるだけの回数はちゃんと出てさ、ここでお話しようよ。」


びっくりした顔をされてしまった。
まぁ、こんなこと言う奴はいないし新手のナンパ師かとも思われちゃうよな〜。
ヘラヘラ考えながらコーヒーを一口、口へ運んだ。


「あんた、やっぱイラつく」


先程と同じの苦笑いで言われた。
いや、まぁ、わからなくはないよね。
いやぁ〜胸に刺さるね〜。

彼女は何も言わず図書室を出た。
そこでまた一口、口に運ぶ。

「あー、ぬるい。あー、イラつく。」

呟いてもなにも響かなかった。