恋の魔法
そのやり方で、とりあえず今の所は成功率100パーセントである。


つっても今までまだ3人としか付き合った事ないけど。


とにかく俺にとってはそのやり方がベストなのだ。


しかし、果たして綿貫にそれが通用するのやら。


無事にこの思いを伝える事ができるのやら。


苦笑いしながらケータイを目の前のテーブル上に置くと、代わりに今まで放置していた缶ビールを手に取る。


しかし、思案している内容のワリには、俺の心はさほど落ち込んだりはしていない。


むしろ、胸の奥底からフツフツと闘志がみなぎっていたりする。


難攻不落の城を攻め落とせてこそ、男冥利に尽きるってもんだ。


もしかしたら酔って浮かれているだけなのかもしれない。


立ち止まって考えこむと、その場から動けなくなりそうで、無理矢理自分自身を奮い立たせているだけなのかもしれない。


でも、こんなにも困難で極上の恋心を与えられる奴は、そうそういない。


俺は自分の運命に感謝しつつ、いい加減生ぬるくなった缶ビールを口元に運ぶと、勢い良く、グイッと飲み干した。


それは未来への希望を抱いたまま、心地よい眠りへと落ちて行くことができる、今の俺にとっての魔法の薬だから。
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