浮気者上司!?に溺愛されてます
「本当に全然恭介の心が自分になかった、とは思いたくない。紫乃さんに言った通り、私は……やっぱり、恭介が愛してないのに結婚するような男じゃないと思う。だから……」
「……奏美、お前、何言ってるんだ?」
「だから、何? 水野さん」
私の言葉を、額に手を当てて考える恭介をそのままにして、紫乃さんが私の言葉を促した。
私はほんの一瞬躊躇って、そして思いきって口を開いた。
「その証が欲しい。最後に一度だけでいいから、キスして、抱いて欲しい……私だったら、そう願います」
途端に、恭介が飲んでいた紅茶を吹き出した。
私が何を言うか読んで、この惨事を見抜いていたのか、紫乃さんは軽く身体の位置をずらして避けるだけ。
「なっ……奏美っ!? お前、いったい何を言って……」
「そう。私の気持ちがわかるなら、今夜ここに水野さんがいる意味はないわ」
真っ赤な顔して吠える恭介をサラッと無視して、紫乃さんはゆっくり立ち上がると、私の前でピタッと足を止めた。
ねめ付けるような視線に、ピクッと身体が震えた。
「出て行って」
短い、絶対的な退去勧告。
私は震える手をギュッと握りしめて、ただ心の平静を求めた。
「出て行って」
紫乃さんが私の周りを腕組みしてゆっくり歩きながら、一音ずつ言葉を切って、ゆっくり含めるように繰り返す。
「……っ!」
堪らない。こんなの、耐えられない。
それでも私が今この場で一人浮き立った存在で、ここにいるべきじゃないことはわかる。
だから、手にしたカップを音を立ててテーブルに置くと、勢いよく頭を下げて、恭介の部屋を飛び出した。
「……奏美、お前、何言ってるんだ?」
「だから、何? 水野さん」
私の言葉を、額に手を当てて考える恭介をそのままにして、紫乃さんが私の言葉を促した。
私はほんの一瞬躊躇って、そして思いきって口を開いた。
「その証が欲しい。最後に一度だけでいいから、キスして、抱いて欲しい……私だったら、そう願います」
途端に、恭介が飲んでいた紅茶を吹き出した。
私が何を言うか読んで、この惨事を見抜いていたのか、紫乃さんは軽く身体の位置をずらして避けるだけ。
「なっ……奏美っ!? お前、いったい何を言って……」
「そう。私の気持ちがわかるなら、今夜ここに水野さんがいる意味はないわ」
真っ赤な顔して吠える恭介をサラッと無視して、紫乃さんはゆっくり立ち上がると、私の前でピタッと足を止めた。
ねめ付けるような視線に、ピクッと身体が震えた。
「出て行って」
短い、絶対的な退去勧告。
私は震える手をギュッと握りしめて、ただ心の平静を求めた。
「出て行って」
紫乃さんが私の周りを腕組みしてゆっくり歩きながら、一音ずつ言葉を切って、ゆっくり含めるように繰り返す。
「……っ!」
堪らない。こんなの、耐えられない。
それでも私が今この場で一人浮き立った存在で、ここにいるべきじゃないことはわかる。
だから、手にしたカップを音を立ててテーブルに置くと、勢いよく頭を下げて、恭介の部屋を飛び出した。