浮気者上司!?に溺愛されてます
「あ、あのっ」


微妙な存在にしか感じない自分の立ち位置がよくわからなくなって、私は思わず声を上げた。
それとほぼ同時に、水野さん、と紫乃さんが紅茶を啜りながら私を呼んだ。


「愛してるから、わかるって言ったわね。それならこのシチュエーションで、私が何を望んでいるかも、わかるの?」


心を探るような紫乃さんの言葉に、一度大きく心臓がドクンと鳴った。


「自分から離れて他の女に走る最低な男。それでも水野さんは、私が恭介に酷いことは出来ない。そう言うのよね?」


畳み掛けられる質問に、私はグッと唇を噛みしめた。


「……おい、ちょっと待て、紫乃。いくらなんでも、俺はそこまで言われる筋合いは……」


黙っていた恭介が、憮然とした表情で口を挟む。


「恭介さんは黙ってて」

「いや、でもなんか……」

「私だったら、最後に恭介の心を確認したいって思います」


軽くソファから腰を浮かせた恭介を制するように、私は早口でそう言い切った。
恭介と紫乃さん、二つの視線が、一気に私に向けられる。
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