イケメン王子先輩と私。
【霰side】
放課後の校庭。バスケをしている俺と友達。校庭の外野や教室の窓辺には女子達。シュートを決めたらあがる黄色い声。俺は外野の人達に手をふったり笑顔をむけたりしていた。
「霰ー、今日もモテモテだなー」
遠くから俺の親友の相原銀がそういってきた。
「でも銀だって手紙沢山もらってるじゃん。今日は何枚もらったんだよ」
「えーと……45枚くらいかな?」
銀は俺と同じくらい人気がある。俺は二階の女子二人に手を振った。髪をハーフアップにしてる女子はキャーキャーいっていたが、隣にいるポニーテールの女子は無反応。そしてその女子は窓辺から去っていった。……珍しいな、俺を見て何とも思わない無反応な女子は。
「……気になるな」
「え? 何かいった?」
「何でもねぇ、帰ろうぜ」
俺達は校庭のベンチに置いた鞄を持って帰った。……あの女子に明日からちょっと話しかけてみるか……。